畢竟、悪いのは私なのだろう。
 他の誰でもなく、私の責任なのであろう。彼に惚れてしまった、私の責任。
 異形のものに惚れてしまった、私の。
 然しながら、私には他に術が無かったのだ。
 あのような、置いていかれた子供のような、地上に降りてしまった神様のような、それでいて狡猾な悪魔のような、彼を放っておける訳が無いのだ。
 だから、私の責任なのだろう。
 今、こんなにも苦しいのも、悲しいのも、彼が隣に居ないのも、全て。  
 嗚呼、憾みます、神様。貴方がいらっしゃるのならば。
 何故、彼にあのような酷い仕打ちをなさったのですか?
 嗚呼、でも、私はほんの少しだけ感謝してもいるのです。
 そうでもなければ、私は彼には巡り会えなかったのですから。
 嗚呼、なんて愚かで醜いのだろう、私は。彼を憐れに思い、そしてそれに感謝するなんて。酷いひと。
 もしも、何方か、神様にお会いすることがありましたら、私の代わりに謝っておいてください。
 彼に惚れてしまったことを。
 神様を憾んでいることを。