八月の蜂



 ミツバチは暑さに弱い、とテレビで言っていた。
 夏期講習の帰り道、八月の真夏の日差しの中、どこにいたのか、ミツバチが足下へ落ちてくる。
 足下のミツバチへ少しの祈りを……。
 こんなに暑くても、あたしはまだ、立っている。
 夏休みに会わなければならなかったクラスメイトの無邪気な陰口や、最近ぎくしゃくしてきた恋人との間とか、悩むことはたくさんあるけれども、それでもあたしはまだ立っている。
 だからきっと、まだ、大丈夫。